2017-10-25

場末/路地裏写真館

IMG_6784C


写真を撮るのを生きがいとしているCPWのくそ店主、
おれごときなんですが、
いままで訪れた場末や路地裏をリストにまとめました。

こうしてみると、けっこう行ったなあ。

最初に路地裏の写真を撮ろうと思ったのが
12年前の2005年、ぐらいからかな。
インターネットで見た川崎や京都の朝鮮部落の写真に衝撃を受けて以来、
日本の路地裏に、なんだか妙に魅力を感じたのでした。

「あそこに足を踏み入れてはいけない。あそこの地区のコとは遊んではいけない。」
と小さいころ親に言われるようなそういう地区に足を運び、
写真を撮ることにどっぷりハマってしまった。

むかしは被差別部落を撮りに行くこと以外あまり興味はなかったんだけど
いまでは廃墟、といっても産業遺産や、
呑み屋街、といっても表通りから一本入ったような場末、
戦前は赤線地帯だったとこや、戦後の闇市から発展した商店街、
戦後のどさくさのまんま現代まで生き延びてる路地裏など
興味の対象となるものに、歳を追うごとに広がってきてるキガスル。

路地裏に連なるようにしてあるスナック、パブ、居酒屋の
日が暮れてから夜に光る妖しいネオンサインや赤ちょうちんの
ギラギラのコントラストを写真撮ると、
ああ、キレイだなあ。。。
って思えてくるようになると、もう抜け出せない。

いつもそうなんだけど、はじめはいつもひとりぼっち。
そりゃそうだ。
高尚な趣味とはけっしていえるようなもんじゃないし、
汚い路地裏の写真を撮るのがスキってやつなんてそうなかなかいるもんじゃない。
でも、気が付くといつもいっしょに路地裏を回る仲間ができてて、
そんな彼らといっしょに路地裏を歩きながら同じ風景を観ながら写真を撮ってるのが
いまサイコーに楽しい。

「昭和レトロに待ったなし」っていうのが
路地裏愛好家のスローガンみたいになってるんだけど、
実際、自分が思ってるよりも数段早く昭和の遺構がつぶされていってるのが
散歩していると気が付かされることが、多い。
東京なんかオリンピックが控えているからなのか、
特にそんなカンジがする。
日本人っていうのは古いモノを大事にする民族だったんじゃなかろうか。
それなのにどんどん古いモノを潰していく。
古いクルマには税金を重ねていったりしてね。
なんなんだいったい。

チャッカーズのアカプルコゴールドで歌われてるみたく、
インターネットじゃ伝わらない世界が路地裏には広がってたりする。
自分の目で見てきて足で歩いてきたこれらの路地裏の写真は
おれの血となり肉となり骨となって、
おれの財産となったこの場末リストを、
どうぞ!どうぞどうぞ!(^^)



L1060678C
清水の新世界通りでみかけたこの看板。
フォントがカワイイw(^^)
L1390522C L1000458C
あたりまえなんだけど、どこの店の看板もそれぞれの味を出してて、
そこもまた飽きない理由のひとつかもしれないなあ。


L1060602C
ともだちとみんなでまだ見ぬ場末までドライブする
その道中からもうワキワキが止まらないのですw。


IMG_6769C 
路地の入口には、この先には別世界が広がってますよ、っていうのを
知らせる目的もかねてるのか、
こうしてアーチ看板がかかってたりします。
これがないと、この先に呑み屋街があるなんて気が付かなかったりするだろうし、
逆にいったら、このアーチの先に行きたくておれなんかは。

そして薄暗い未舗装の路地に足を踏み入れて、
まず目に飛び込んできたのは、


IMG_6771C 
どどーん!!!
この、元遊郭だった建物。
特徴的にモリっとしたカンジと
3階部分にある丸窓が、たまらん。。。
窓には格子がつけてあって、ああ、あそこから遊女が顔をだし、
道行くおっさんどもにエロい笑顔を振りまいてたのかなあと思うと
なんか族族する。


IMG_6772C 
そして路地をさらに奥にすすむと、
え?なんこれ?


L1060374C 
え?なにこの幻想的なこの路地?
ちなみにおれは曲がってる路地が大好きなんですが、
うおお?


IMG_6776C
うおおお!やばー!ここやばー!!!
これぞ赤線地帯!
まるでグリムスパンキーのベルベットシアターって歌があるんだけど
その歌の世界観的な。

この日、この場所、富士吉田の月江寺っていう路地裏なんですけど
まだおれはこのとき赤線地帯にかじりだしたばかりで、
カフェー建築、っていうものを知ったばかし。
今ほどハマってたってわけじゃないんだけど、
この場所、赤線マニアやカフェー建築マニアにはとても有名な場所で、
特にタイルが壮大で、ここまですごいのはなかなかお目にかかることができない、
らしい。
あー、たしかに。おれ、このときぜんぜん気にしてなかった。
ただ、ただ、圧倒されるばかりで。
左に見える特徴的なカフェー建築ばかりに目がいってしまってて、
その反対側の建物に貼ってあるタイルはそこまで見ていなかった。
この左右のカフェー建築のタイルをもっとうまいこと写真に収めておきたかったなあ。
また同じ場所に行くこと、行ったことを、「再訪」って
お散歩趣味の人たちが使う言葉なんだけど、
この月江寺はかならず再訪したくなった場所なのでした。



L1080634C
そういえば、森山大道の新しい写真集、「あゝ荒野」、
こないだ本屋さんいったとき買えばよかったなあ。んー。



IMG_7057C 
IMG_7060C
最近おれが好きでときたま行ってるのが新宿歌舞伎町にある
この路地裏。
どこの場末も独特なんだけど、新宿のここは特に独特しいんだよなあ。


L1080616C 
有名なのは新宿ゴールデン街。
ここ、すごいんだ。ガイジン観光客ばっか!
テレビでやってたけど浅草の仲見世の次にガイジンさんが訪れる
観光スポットらしい!
なんだか、海外のガイドブックかなんかに載ってから、
人気スポットになったらしい。
むかしこんなにヒトいなかったよなあ。


L1060044C
渋谷ののんべえ横丁を歩くキレイなコと
ガイジンさんたち。
渋谷っぽい。
この光景は地方だとなかなかお目にかかれないと思う。
暗い負陰気な路地裏なはずなのに華やかなカンジになりますな。
L1080618C
こんな狭い路地裏にまで女性が歩いてる。
ところ変われば歩いてるヒトもぜんぜん違う。
ジジババしかいないような路地裏があるかと思えば、
L1010734C L1010736C
フィリピーナばかしの路地裏だったり、
吉祥寺のハモニカ横丁みたいに若者があふれかえってる路地裏だったり、
ゴールデン街みたいにガイジンさんがほとんどの路地裏だったり。



L1080635C L1010417C L1010354C
おれはサケも呑まないし、閉所恐怖症、ってわけでもないんだけど
狭いところとか苦手だし、
同じ場所にジッとしてるのとかも苦手だし、
ヒトミシリのコミュ障だもんで、
こーゆーところで楽しそうにおサケを呑んでるヒトとかいると
ちょっとうやらましかったりする。
じぶんじゃ考えられないw。
そんな光景を見たり、中から聞こえてくるニギヤカな声とか歌とか音とかを
歩きながら聞こえてくると、
なんだかうれしい気分になったりしますw(^^)



IMG_6307C 
玉ノ井の赤線地帯の入口だっただろうと言われてる
路地の入口。
たいがい大門があった名残の場所には交番があったりしますな。
ダークでディープなゾーンへのゲート。


L1040518C L1040559C L1040535C IMG_6295C
住宅地に残るカフェー建築。
はっきしいって、住宅地にカメラ持ってウロウロしてるおれたちなんか
地域の人たちからしてみたら不審者以外のなにものでもないわけで、
土地柄、あまり余所者に見られたくないのかもしれないけど、
おれたちが招かざる客っていうことを意識しながら歩いてると
なんか、ドキドキしちゃうんですが、
おれはヘンタイなのか、それもスキなんです。

IMG_4307C IMG_4310C 
なにげなく歩いていたこの路地。

IMG_4311C
何気なく撮っていたこのお宅。
壁がオサレやなあw、と思って写真撮ったんだけど、
もともとは小料理屋さんだったのかなあ。


IMG_4217C 
これを撮った夏休み当時はまだ赤線地帯にカジリかけだったんだけど
いまみるとこの売春宿の遺構、すげえな!
ダブル斜めドア玄関はなかなかお目にかかれないし、
石を組み合わせたような壁のカンジもすげえいいなあ。
おれ、ここらへんが赤線跡なのはわかったいたんだけど、
自分が歩いていたところから1ブロック逆方向にいってたら
さらなる遺構があったのは、このときはまったく知らなかった。
多治見もまた再訪したい場所であります。


IMG_4186C
いまこの写真見返してみたら、ああ、うしろの壁が豆タイルやし!
おおおw。


IMG_0901C
野毛の呑み屋。
豆タイルに裸電球。
店内の薄暗い照明とかむちゃくちゃいい負陰気だしてるなあ。


IMG_0904C L1450061C
野毛を歩いてると、どことなく異国情緒漂うような店構えをした
バーがあったりするんですけど、
それがいい負陰気を醸し出しててとてもスキな町になりました。
路上の道端で呑んでるヒトがけっこういたんですが、
それを「野毛呑み」スタイルっていうらしい。



IMG_6558C 
L1040894C 
渋谷の道玄坂から一本入ったところ。
ここもまたなかなかメルヘンな妖しい灯りが灯される路地裏であり、

L1040913C 
性欲が止まらないカップルたちでにぎわうラブホ街、
円山町。

L1040947C 
この町は、未解決事件で有名な東電OL殺人事件の現場となった町。
殺されたOLさんが夜になると立ちんぼとなって
町行く男連中に、「わたしとセックスしませんか?」
っ声をかけていたのがこのお地蔵さんの前。
そしてこのお地蔵さんが通称、泰子地蔵、といって
殺されたOLさんの名前で呼ばれてるそうで。

L1040949C
唇にはダレがやったかわからないけど
ルージュがひかれてます。

L1040842C L1040845C
死体発見現場が当時のまま残ってるんですが、
ただならぬ負陰気に驚くとともに、
当時の事件現場だと思いながら町を歩いてると
なんだか不思議な気分になる、そんな街でした円山町。


L1070041C IMG_7093C 
花街の雰囲気をそのままいまも残してるのが
四谷三丁目の裏に位置する、裏四谷荒木町。

L1070067C 
すり鉢状の地形をしているから、路地には階段が続いてるところが
何か所かあって、
路地裏階段が好きなおれはとてもこの場所が気に入ったであります。

L1070088C
ひとりでこの町の写真を撮ってたら、
居酒屋さんから出てきた流しのオンナノコを見つけて
写真撮らせてもらったんだけど、
なんかとても得した気分になれたw。
この町の雰囲気にとてもよく合ったコでした。

IMG_6378C L1040590C
ラビットで路地裏行くのも好きです。
この日の晩はともだちと数台で立石の呑んべ横丁の最期の姿を見にいってきました。
路地裏には昭和の鉄スクーターがよく似合う。

L1450381C
うちの奥さんと2台の鉄うさぎで三軒茶屋三角地帯探訪。

0 件のコメント:

コメントを投稿